2014年11月17日

革命と騒乱のエジプト:ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学

ずっと放置してきたブログだけど、昨日久しぶりに雑文を書いたので、ついでにこの場でも最近の仕事について報告。

今年の夏に、

革命と騒乱のエジプト:ソーシャルメディアとピーク・オイルの政治学』(慶應義塾大学出版会、2014年)

を上梓しました。

周りの方が早速読んでくれ、そして、多くのコメントを頂きました。本当に感謝。そして、読んでくれた人の多くが、内容からすると「メインタイトルとサブタイトルを入れ替えた方が言いたいことが伝わりやすいよね」とコメントしてくれます。

タイトルからすると、一見、「中東本」それも「エジプトのアラブの春の本」という理解をするのが普通ですが、序章にも書いたとおり、この本は2011年以降のエジプトを「対象」として取り扱っていると言うよりは「事例」として取り扱ったものです。そのことで何がしたいかというと、今国際社会で起きていること、これから起きそうなことを、マクロな視点から理解するということ。本書の最後の方は、文明論にまで発展しています。

ありがたいことに、何人もの尊敬する先輩研究者の先生方が、書評を書いてくださいました。本当に有りがたい限りです。残念ながら、タイトルの問題もあって主にコメントを下さるのは中東の研究者の先生方が多いです。少数ながら、国際政治学の先生方からもコメントを頂き、そして割と好意的に読んでくださり、ホッと一息。

SFC出身らしく、未来の話をしているのですが、まあ、未来の話は概して受けが悪いところもあるから、少数でも好意的に評価してくださる先生方がいらっしゃるというのは心強いです。

メディア関係者の方も、この本を読んでくださって、取材頂いたり、原稿執筆の機会を頂いたりしました。

最近では、『エコノミスト』誌に2回寄稿しました。


  • 「原油生産減少は政情不安に:中東・アラブ諸国」『週刊エコノミスト』第92巻第41号、2014年、90頁。
  • 「石油が簡単に掘れる時代の終焉:「在来型」から「非在来型」へ」『週刊エコノミスト』第92巻第48号、2014年、23頁。

その他、講演の機会や勉強会・研究会の話題提供者としての役割をご依頼頂けることもあり、これもまた有りがたい限りです。こういう場では、私の方がむしろ勉強になることが多く、感謝しています。

これまで「中東」の絡みでお声がけ頂くことが多かったのですが、来年あたりから、情報通信技術を国際政治の文脈から、また、国内政治(特に民主主義論)の文脈から、本腰を入れて研究を進めていきたいと思っています。科研費を頂いて進めている「ソーシャルメディア時代の民主主義」というテーマでは、国際政治と国内政治の接合にも注意を払いつつ、21世紀の地球社会を(やや大胆に)理解してみたいと思っています。

講演のご依頼の中には、たまに「テーマ自由。今関心あることを」なんていうことを言ってくださるケースもあり、そんな時には、聴衆の方の属性を考えつつ興味を持ってくれそうだなと思ったら、最近の個人的関心事である情報化時代のライフデザインやライフスタイルについて、特に「デジタルとアナログの間」あたりを意識してお話しすることもあります。これはもう、参加者の方とのやりとりが面白い。

「情報化時代の処世術」。これって、単にデジタル機器を使いこなせ!みたいな時代はとうに終わっていて、人生をめぐる哲学的なテーマとして、この時代に生きる人全員に問いかけられた難問です。