2012年3月7日

この世で一番好きなのは……

2歳の娘の寝かしつけ役は、たいてい私の役目。この役目は、とても気に入っているし、自分にとっても大切な時間となっている。

寝る前には、娘セレクションの絵本数冊を読むのが日課になっている。いくつかのお気に入り絵本があるが、娘も、そしてそれ以上に私が好きなのが『ぐりとぐら』シリーズ。読んでいて、とてもテンポがよく、気分がいい。

その中に出てくる、おきまりのフレーズ「この世で一番好きなのは、お料理すること、食べること」は、娘も気に入っているらしく、たまにひとりごとのようにつぶやいている。


子供の成長を見ていると、教育についていろいろと考えてしまうが、最近は少し前のエントリーでも書いた「農的な教育」というのに興味を持っている。「農業」に関する教育ではなく、「農的なアプローチ」による教育という意味だ。

この概念を知ったのは、ケン・ロビンソン卿のTEDでのスピーチだったが、詳しい内容は彼の著書『才能を引き出すエレメントの法則』(祥伝社、2009年)でも触れることが出来る。

この本で述べられている「エレメント」という概念が興味い。あえて数式で表すなら、次のようなものだろう。

エレメント = 好きなこと × 得意なこと

このエレメントを見つけ出し、時間も忘れてそのことに「ハマる」ようになれば、関連する能力は一気に伸びることになる。この「ハマった状態」とは、チクセントミハイの言う「フロー体験」のことだろう。

今の段階で、教育として、自分の子供に望むこと、してあげたいと思うことは、この「好きなこと」と「得意なこと」に気づかせてあげることだ。その後は、子供に任せようと思う。

自分が本当に「好きなこと」と「得意なこと」。この2つが出会う領域を自覚的に認識できるようになれば、後のことは何とでもなる、と思っている。

結局は『ぐりとぐら』だ。要は、「この世で一番好きなのは……」の後半部分を、自分できちんと埋めることさえ出来ればいい。

今のところ娘は、絵本のフレーズ通り「お料理すること、食べること」と口ずさんでいるが、そのうち娘オリジナルの「この世で一番好きなのは……」を見つけてくれることを期待する。

親としては、そのための邪魔をせず、より高いレベルで「この世で一番好きなのは……」を見つけるための環境を整えてやりたい。このプロセスの中にこそ、教育の本質が潜んでいるような気がしてならない。