2012年2月22日

短編映画『There's No Tomorrow』

ローマクラブの報告書『成長の限界』が発表されたのは、1972年のことだった。テーマは、とてもシンプル。「有限地球で無限成長はあり得ない」というものだ。

あれから40年。楽観主義者は、今でも「無限成長」を信じている様子だし、技術が解決してくれるはずだ、市場が解決してくれるはずだという。悲観主義者は、「崩壊」は間近だと警鐘を鳴らし、「新しい原始時代生活」を覚悟せよという。

結果がどうなるのかは、わからない。なにをもって「崩壊」とするのかというのは議論の分かれるところだが、「崩壊」としか呼びようのない状態になるのかもしれない。真実は、両者の間にあるのかもしれない。

ただ、最近では、楽観主義者が減りつつあるような印象もある。「何かおかしいぞ」というわけだ。

そんな中、「成長の限界」を視覚化した短編アニメーション映画『There's No Tomorrow』(Dermot O' Connor監督)が公開された。地球の歴史からさかのぼって、人類とエネルギーとの関係について、そして今何が問題になっているのかをわかりやすく説明してくれる。

ただし、アメリカで制作された動画なので、内容がアメリカ中心に描かれている。それでも、問題の核心を知ることは出来る。

今後は、こうした動画の日本バージョンも作っていくべきだろう。ただ単に、「翻訳」をするということではなく、日本の文脈で構成を組み上げるという意味だ。

エネルギー分野、とりわけ自然を相手にするような再生可能エネルギーの領域では、成功事例の「模倣」をして新たな価値を付け加えるという「エミュレーション・モデル」(emulation model)はなじまない。その土地その土地によって、自然状況はみな異なるためだ。その土地に根付いた(その土地の自然状況を知り抜いた)人びとによって、ボトムアップで政策が練り上げられる必要がある。

いずれにせよ、最近公開されたこの『There's No Tomorrow』は、「研究内容を一般の人びとにどうすればわかりやすく提示することが出来るのか」という問題も含め、大いに参考になる。今のところ英語版だけ(日本語翻訳なし)のようだが、一見の価値がある。