2012年2月8日

衰退する都市の姿:デトロイト

これまで大都市は人びとを吸収してきた。人びとは、こぞって、そして好んで大都市に移住してきた。20世紀は大都市の時代だったと言える。しかし、21世紀はそうではない。大都市は主役の座から降りることになるだろう。

問題は、どうやって降りるのかだ。緩やかにソフトランディングするというのが理想的かもしれないが、ある一点を境に一気に崩壊してしまう可能性もある。

大都市という存在を可能としてきたのは、安く大量にあった余剰エネルギーである。20世紀の場合、具体的にそれは石油であった。石油は常温で液体の流体燃料である。20世紀に確立された人やモノの流通ネットワークは、船舶、航空機、自動車であり、いずれも内燃機関を動力源としている。もちろん、そのエネルギー源は、常温で液体という特徴を持つ石油である。

20世紀型の大都市は、こうして誕生した物流のネットワークに支えられ、そしてそれを前提として成り立っている。中でも、アメリカの都市は、ニューヨークのマンハッタンなど、ごく一部の例外を除いてクルマの所有を前提として設計されている。

石油ピークが与える影響は、極めて多岐にわたるが(というかほぼすべてだが)、使用可能な余剰エネルギーの減少は、都市(なかでも20世紀的な大都市)の存続を脅かすものになるだろう。

大都市が衰退すると、一体どのような姿になってしまうのか。そんな近未来に起こり得る状況を考えさせる1つのケースは、現在のデトロイトのケースである。

(写真は、デトロイトにあるミシガン中央駅。http://www.time.com/time/photogallery/0,29307,1882089,00.htmlより)

デトロイトは、クルマ時代と共に誕生し、発展し、そして衰退し始めている。ピーク時に比べると100万人近い人がこの街を離れているという。そして、残留人口の大半は、経済的理由等で身動きできない状態だという。能力のある人、動ける人から動いてしまい、残ったのは動けない人というわけだ。

ユーチューブにアップされている無数のデトロイト関連動画を見ていると、大都市の落ちぶれていく姿を見てゾッとする。もちろん、石油ピークが顕在化した後の大都市がどうなってしまうのか、確定的なことは何もわからない。しかし、デトロイトから学べきを学ばないと、同じ道筋を辿ることになる可能性が高いのではなかろうか。

こうした状況の中、自分だったらどうするか。真剣に考えずにはいられない。