2011年6月23日

イスラームの豊かさを考える


共著書籍の見本が届きました。

奥田敦・中田考編『イスラームの豊かさを考える』丸善出版、2011年。

私が担当したのは、「文明論と豊かさ」という視点からの検討で、第9章「文明論的視点から見たイスラーム的豊かさ論の不可避性」を執筆しました。

「文明とは突き詰めれば『余剰エネルギー』のことである。」という書き出しで、「エネルギー論」の視点から現代文明を論じ、現状を維持し続けることは困難な状況にあることを「石油ピーク論」をベースに説き起こしています。

つまり、今は、「文明論的にみても大転換期にある」ということです。ここまでは、多くの論者が指摘するところではありますが、「では、それに代わるものは?」という質問に対しては、ほとんどの論者が黙ってしまいます。

この研究プロジェクトでは、この点「イスラーム的な豊かさ論」に着目しながら、検討を重ねてきました。

まだまだ議論の端緒という段階ではありますが、イスラームが有している「智の体系」の中に、「次の時代」が隠れているのではないか、そのことを自覚的に掘り下げていくことこそ、今、イスラーム研究者に求められている課題ではないのか、という問題提起を行いました。

発売は、もう少し先で、おそらく7月頭には、書店にも並ぶと思います(アマゾンなどでも注文できるようになるはずです)。

編者の先生方の論考はもちろん、他の執筆者の論考も、興味深いものばかりです。見方によっては「かなりディープな本」ではありますが、ひるむことなく(?)、是非、一度、手に取ってみて下さい。