2011年5月9日

『ハヤート』座談会

実に久しぶりに古巣のKEIO-SFCに行ってきた。なつかしい。自分にとって、大学のキャンパスと言えばあの場所のあの雰囲気なんだなぁと再確認。体に染みついたものは、なかなか抜けないものだ。

用件は、SFCでイスラーム研究を行っている奥田研究室が発行しているフリーペーパー『ハヤート』に収録するための座談会に出席すること。メインテーマは、最近の中東情勢について。日本人の研究者だけでなく、アラブからの研究者も交えての座談会ということでなかなか新鮮な体験だった。

チュニジアから始まった一連の政変、デモだが、それぞれのお国柄が様々な形で反映されているのが興味深い。トップの資質や、民衆のトップへの感情などが、デモの動員状況やその後の展開に少なからず影響を与えているのではないかと、話をしつつ感じた。

たとえば、辞任に追い込まれたムバラク大統領はエジプト人に嫌われていたが、今まさにデモの佳境にあるシリアの場合、実はバッシャール・アサド大統領自身は、それほど「嫌われている」というわけではない。同様にヨルダンのアブドッラー国王も、「嫌われている」ということではない。

「トップを引きずり下ろせ」という目標はわかりやすいし、民衆を結集させるだけのアピール力を持つ。だが、「トップはともかく、周りを変えろ」とか「システムの改革を!」というのは、結集力の源泉としては、個人差もかなり出てくるため、弱いところがあるだろう。

さらに言えば、これまでの「準備状況」も、デモの展開に影響を与えているのではないかと感じられる。エジプトの場合、2011年になってから突然始まったわけではなく、試みの発端は少なくとも2004年くらいから盛り上がってきた「キファーヤ運動」にまでさかのぼって考えることができるだろう。

座談会では、奥田研究室らしく、「表面的なイスラーム要因」ではなく、かなり「深いレベルでのイスラーム要因」が与える影響や今後の展開などに話が進んだのも面白かった。勉強になりました。

詳細は、次号の『ハヤート』をご参照ください。